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山下直久

静岡県浜松市

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朝日の記事引用で「誤報」論争 中国メディアVS.香港の記者2013/1/26

2013年01月26日 18:20

朝日の記事引用で「誤報」論争 中国メディアVS.香港の記者

産経新聞2013年1月26日(土)10:48

 日本政府が沖縄県・尖閣諸島周辺の領空を侵犯する中国機への警告射撃を検討していることに対し、中国のインターネットでは「開戦だ」と好戦的な発言が相次ぐ。そんな中、小野寺五典防衛相が記者会見で警告射撃の実施を「明言した」とする報道をめぐり、中国メディアと香港の記者がネット上で「誤報か否か」の論争を繰り広げた。中国の言語空間におけるネットの重要性を示す好例といえそうだ。

 ■発言の真相は…

 論争のきっかけは、1月15日午前の小野寺防衛相の会見だ。香港のフェニックステレビの李東京支局長が、中国機が「日本のいわゆる領空」に入った場合に警告射撃があり得るのか、と質問。これに対し、防衛相は「国際的な基準に合わせて間違いのない対応を備えている」と応じるにとどめた。防衛相自身の発言に「警告射撃」という言葉はなかった。

 この質問には背景がある。産経新聞は9日付の紙面で、昨年9月の国有化以降、中国の軍用機が日本領空への接近飛行を繰り返していることを紹介し、「政府が警告射撃など自衛隊の対抗措置を強化する検討に入った」と報道。これが中国メディアに引用され、14日には中国人民解放軍の彭光謙少将が「日本が(警告射撃で)曳光(えいこう)弾を1発でも撃てば、それは開戦の1発を意味する」と発言するなど、中国では関心が高まっていた。

 ただ、日本では1987(昭和62)年に旧ソ連空軍機に対する実施例があり、メディアの関心はさほど高くなかったようだ。15日の会見直後の夕刊では、朝日新聞が防衛相の発言の意図を解釈し、2面で小さく「中国領空侵犯 信号弾で対応 小野寺防衛相が方針」と報じただけだった。

 ところが、この記事に共産党機関紙、人民日報系の環球時報がすばやく反応した。対日強硬路線で知られる同紙は、15日午後3時前にはサイトのトップ記事で「日本が初めて釣魚島(尖閣諸島の中国名)に進入する中国機に警告射撃すると明確にした」と掲げた。記事の内容自体は朝日新聞のネット記事の引用だったが、「防衛相が警告射撃を表明」のニュースは瞬く間に広まり、ネット上には「小日本(日本の蔑称)を打て」などと好戦的な意見が相次いだ。

 ■「微博」は炎上

 これに「驚いた」のが、当の質問をした李氏。ネット上の反応に気付いた15日午後6時前には、中国版ツイッター「微博」の自身のアカウントに「防衛相は“警告射撃”という言葉を使っていない」「誤報が多すぎる」などと書き込んだ。

 すると、16日午前1時前、環球時報が「微博」の公式アカウントで「『日本の朝日新聞の15日の報道によると』と明示してある」「朝日の原文には“警告射撃”という言葉がある」と反論。これを受けて李氏と環球時報のアカウント双方が“炎上”する騒ぎになった。

 一般の“読者”からは「朝日が誤報を流したら環球時報も誤報を流していいのか」「民族感情を利用しすぎる」と環球時報を批判する声が挙がる一方、「お前は日本の嫁だ」と李氏を中傷する書き込みもあった。

 ■党機関紙が“仲裁”

 その後、「海外メディアを引用するときは盲目ではいけない」「戦争に関わるような内容の報道は慎重にしなければ」と冷静な意見も現れ、上海の復旦大学の教授(日本研究)が「(記者会見の)原文を見て結論を得た。李氏の言い分が正確で、明らかな誤報だ」と書き込み、李氏に軍配が上がった。

 さらに、環球時報の親会社にあたる人民日報のサイト「人民網」は16日午後、「日本の防衛相は中国機への警告射撃について態度を明らかにしたことはない」という奇妙な見出しの記事を掲載。一連の経緯を検証した上で、「朝日新聞が誤った結論を出した」と環球時報の顔を立てた。環球時報は現在、公式サイトの該当記事の見出しに「日本メディアが伝える」を追加している。(田中靖人)